フロアコーティングを検討する際に、まず気になるのが「費用はいくらかかるのか?」という点ではないでしょうか。コーティングの種類や施工範囲、依頼する業者によって価格は大きく変わります。
相場を知らずに契約してしまうと「想像以上に高かった」「安さに飛びついて後悔した」といった失敗につながることも少なくありません。

本記事では、フロアコーティングの相場を種類別・業者別にわかりやすく解説し、価格だけでなく耐久性や保証面も含めた比較のポイントをご紹介します。初めて施工を検討する方でも、安心して判断できるような基準を得られるはずです。

1. フロアコーティングの相場の基本

フロアコーティング価格比較グラフ

相場を理解する際のポイントは、「㎡単価」と「総額」の両方を見ること。㎡単価が安くても、基本料金や諸経費を加えると結果的に割高になるケースもあります。逆に、㎡単価はやや高めでも、保証やアフターサービスが充実していれば長期的に見て安心です。

1㎡あたりの価格目安

フロアコーティングの費用は、主に「施工面積」と「コーティングの種類」によって決まります。一般的な目安としては、1㎡あたり2,000〜5,000円程度が相場とされています。ただし、選ぶ種類や業者によって価格は大きく変わるため、まずは全体の基準を知っておくことが大切です。

LDK・3LDK・戸建てでの施工費用例

例えば、1LDK(約30㎡)のマンションで施工した場合、相場は 8万円〜15万円前後。3LDK(約70㎡)なら 15万円〜25万円前後が目安となります。一戸建ての場合は延床面積が広くなるため、施工費用も20万円以上かかるケースが一般的です。

追加料金が発生するケース(家具移動・下地補修など)

相場に影響を与えるのは施工面積だけではありません。家具の移動を依頼するかどうか、床の状態に下地処理が必要かどうかでも費用は変動します。特に、入居済みで家具が多い場合や、床に傷や汚れが目立つ場合は追加料金が発生しやすい点に注意が必要です。

POINT
  • 住まいの条件や業者のサービス内容によって変動する。
  • ㎡単価の基準を押さえつつ、施工範囲や追加費用の有無を確認しよう。
  • フロアコーティングの相場は単純に「いくら」と言い切れるものではないことを念頭に置こう

2. 種類別の価格比較

UVコーティングの光沢感
UVコーティング施工後
ガラスコーティングの光沢感
ガラスコーティング施工後
環境配慮型ウレタンコーティングの光沢感
環境配慮型ウレタンコーティング施工後

フロアコーティングには複数の種類があり、それぞれ特徴や価格帯が異なります。選ぶ種類によって相場が大きく変わるため、施工前に比較して理解しておくことが大切です。ここでは代表的な5種類を紹介します。以下の表に代表的な5種類をまとめました。

フロアコーティング種類別 比較表

種類耐久年数※光沢感相場(㎡単価)特徴
UVコーティング約20年以上強め4,000〜6,000円乾燥が早く光沢が強い。傷・汚れに非常に強く長期耐久。
ガラスコーティング15〜20年控えめ(自然)3,000〜5,000円硬度が高く摩耗に強い。落ち着いた自然な仕上がり。
シリコンコーティング約10年強め2,000〜3,500円水や汚れに強く価格も手頃。滑り止め効果が期待できる。
ウレタンコーティング(水性)5〜8年強め1,500〜2,500円最も安価。短期間の保護に適している。
環境配慮型ウレタン(水性強化タイプ)10年以上強め2,000〜3,500円油性ウレタンを水性化。環境負荷が低く、一般的な水性ウレタンより耐久性が高い。
※光沢感は艶あり仕様の光沢感です。艶けし仕様が設定されている場合もあります。また、光沢感は施工対象の素材にもよります。
POINT

種類ごとの特徴を整理すると次のようになります。

  • 長期耐久重視 → UV・ガラスコーティング
  • コストを抑えたい → シリコン・一般ウレタンコーティング
  • 環境と耐久性のバランス重視 → 環境配慮型ウレタンコーティング

単に価格だけでなく「どのくらい長持ちさせたいか」「環境への配慮を重視するか」といった観点で選ぶと、ライフスタイルに合った最適なコーティングを選べます。

種類別の相場価格(3LDK新築マンションの場合)

一般的な3LDKのマンションでは、浴室、トイレ、玄関土間などを除いていくと平均的な施工面積は約50㎡です。この数字を使って各フロアコーティング種類の平均的な価格を表にしました。

※施工面積:50㎡(3LDK相当)の場合
単位:1万円
UVコーティング
25万円
ガラスコーティング
20万円
シリコンコーティング
17.5万円
ウレタン(水性)
10万円
環境配慮型ウレタン
16万円

フロアコーティングの種類によって、価格は10万円~25万円の幅がありますが、実際は床の状態や家具移動があるかないかでも金額は変わります。

フロアコーティングを選ぶ際は、「耐久性・価格・仕上がり・環境性」の4つの視点で比較するのがおすすめです。長く使う予定の住宅ならUVやガラス、コスト重視ならシリコンやウレタン、そして環境負荷を抑えつつ耐久性も欲しい方には環境配慮型ウレタンが最適です。価格だけでなく、ライフスタイルや将来の住まい方に合った種類を選ぶことで、納得のいく施工につながります。

3. 業者による価格の違い

施工する自社の職人
施工作業をするフロアコーティング職人

同じフロアコーティングでも、依頼する業者によって見積もり金額は大きく異なります。ここでは、業者ごとの特徴と価格差の理由を整理します。

大手業者と地域密着型業者の違い

まず、大手業者は広告宣伝や保証体制が充実しているため、相場はやや高めになる傾向があります。1㎡あたりで見ると、同じUVコーティングでも大手は4,500〜6,000円程度と上限寄りの価格になることが多いです。その分、長期保証や施工後のサポートが手厚いのが特徴です。

一方、地域密着型の中小業者は広告費が少ない分、価格を抑えて提供できるケースが多く、3,000〜4,500円程度で施工できる場合もあります。ただし、業者によっては技術や対応に差があるため、口コミや施工実績を確認することが重要です。

自社施工と下請け施工での価格差

施工を「自社の職人が直接行うか」「下請けに任せるか」でも価格が変わります。下請けを利用する業者は中間マージンが発生するため、費用が割高になりがちです。逆に自社施工の業者は中間コストがかからないため、比較的リーズナブルな価格で提供できる場合があります。

保証やアフターサービスが価格に影響する理由

見積もり金額に含まれるサービス内容にも注意が必要です。家具移動やアフターケア、保証期間などが含まれているかどうかで、総合的な費用対効果は大きく変わります。価格だけで判断するのではなく、「サービス込みで妥当か」を確認することが、業者選びで失敗しないコツです。

4. 価格だけで決めると失敗する?注意点

押しの強い営業パーソン
安さで釣る業者に注意、でも高ければ安心ではないのが難しいのだ

フロアコーティングを検討する際、多くの方が「できるだけ安く済ませたい」と考えます。しかし、価格だけを基準に業者を選んでしまうと、施工後に後悔するケースも少なくありません。ここでは、よくある失敗のパターンと注意点を解説します。

安すぎる業者にありがちなリスク

まず注意すべきは、相場より極端に安い見積もりを提示する業者です。安さを売りにする一部の業者は、下地処理を省いたり、塗料の品質を落としたりしてコストを削減している場合があります。その結果、数年で剥がれや傷が目立ち、再施工が必要になることも。結局は高くついてしまうのです。

セールストークが独りよがりな業者

フロアコーティングは安い買い物ではありません、十分に説明を受けた上で、検討したいものです。家族構成やペットの有無、重要視するポイント、光沢感の好みなどユーザーに応じた提案のできる業者を選択することが失敗のない方法です。

見積もりチェックポイント

見落とされやすいのが、保証やアフターサービスの有無です。価格が安くても保証がなければ、万が一不具合が発生した際に追加費用をすべて負担することになります。施工後のサポート体制が整っているかどうかも、価格と同じくらい重要な判断基準です。

長期保証に惑わされないで

業界では競うように保証期間を20年・30年と長期化しています。理由の一つは、保証期間が長いほど良いフロアコーティングとユーザーが勝手に思い込むからです。保証はあると良いものですが、その運用コストは間接的にユーザーが負担しています。塗膜の剥離や異物混入などの問題は、ほぼ施工後の1年以内にあらわれますので、保証期間の年数は過大に評価しないほうがよいでしょう。

相場と比べて高い/安いときの判断基準

見積書の内訳が不透明な場合も要注意です。「㎡単価は安いが、諸経費やオプションで最終的に高額になった」という事例は少なくありません。家具移動費用や下地補修費用、クリーニング費用などが含まれているかを事前に確認しましょう。

POINT

フロアコーティングの業者選びは「安さ」だけでなく、「施工の質」「保証内容」「追加費用の有無」まで含めて総合的に判断することが大切です。相場を理解しつつ、安心して依頼できる業者を選ぶことが、失敗を防ぐ最大のポイントと言えます。

5. フロアコーティングの相場を抑えるコツ

価格の割引き

フロアコーティングは長期的に床を保護できるメリットがある一方で、初期費用は決して安くありません。そこで、少しでもコストを抑えるための実践的なポイントをご紹介します。

キャンペーンや複数部屋同時施工で割引

まず有効なのが、キャンペーンやシーズンオフを狙うことです。新築マンションの引き渡しシーズンや繁忙期は価格が高めになりやすく、逆に閑散期には割引キャンペーンを行う業者も少なくありません。また、週末・祝日に施工が集中しやすいため、平日割引を実施する業者もあります。施工時期を調整できる方は、見積もりの際に「キャンペーンや平日の割引き適用はあるか」を確認するとよいでしょう。

次に、複数部屋や一戸全体をまとめて施工する方法です。部分施工よりもまとめて依頼した方が、1㎡あたりの単価が下がる傾向があります。また、友人や親族と同時に依頼する「紹介割」などを設けている業者もありますので、事前に相談してみるのもおすすめです。

入居前に施工するメリット(家具移動不要)

さらに、入居前の施工は費用を抑える大きなポイントです。家具移動の手間がないため追加費用が発生せず、作業効率も良くなります。中古物件でも、リフォームや引っ越しのタイミングでまとめて依頼するとコストダウンにつながります。

複数業者の相見積もりで比較

最後に欠かせないのが、複数業者から相見積もりを取ることです。1社だけではその価格が高いのか安いのか判断できません。3社程度から見積もりを取り、施工内容・保証期間・追加費用を比較することで、適正価格を見極めることができます。

POINT

工夫次第でフロアコーティングの費用は数万円単位で差が出ることもあります。相場を理解した上で、賢く依頼することで納得のいく施工を実現できるでしょう。

6. まとめ

フロアコーティングの費用は、施工の種類や面積、依頼する業者によって大きく異なります。一般的な相場は1㎡あたり2,000〜5,000円程度で、1LDKなら約8万〜15万円、3LDKなら15万〜25万円が目安です。UVやガラスなど耐久性に優れた種類は初期費用が高くなりますが、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。一方でシリコンやウレタンは安価ですが、耐久年数が短いためライフスタイルに合わせた選択が重要です。

また、業者によって料金体系やサービス内容が異なるため、相場を理解した上で複数の見積もりを比較することが失敗を防ぐ大きなポイントです。価格だけで判断せず、保証やアフターサービスも含めて総合的に検討することで、納得のいく施工につながります。相場を正しく把握し、自分の家庭に最適なフロアコーティングを選んでください。

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