フロアコーティングの種類の一つに環境配慮型水性ウレタンがあります。環境や健康への配慮という観点から、従来の油性塗料に代替するものとして開発された水性塗料を使用するコーティングです。塗膜の強靭性は油性ウレタンとかわらないレベルになりますので、傷防止性と安全性の両立が必須の、お子様やペットのおられるご家庭にも適したフロアコーティングです。混同しやすい一般的な水性ウレタンとの違いや比較、メリット・デメリット、選び方まで、専門家が詳しく解説します。
一般的な水性ウレタンとの違い
最も大きな違いは、塗膜の強度にあります。一般的な水性ウレタン塗料は、低臭で塗りやすく、プロ向けというよりは一般ユーザー向けという位置づけのものが多いです。一方、環境配慮型ウレタンは近年のとくに欧米における厳しい揮発性有機化合物(VOC)規制から、従来の油性塗料に代わるものとして開発されたという背景があります。
当社が使用する環境配慮型水性ウレタンコーティングと一般的な水性ウレタンコーティングの比較表です。
| 項目 | 一般水性 | 環境配慮型水性 |
|---|---|---|
| 耐擦傷性 | 傷つきやすい | 傷がつきづらい |
| 耐薬品性 | 溶けることあり | 溶けづらい |
| 耐汚染性 | 固着することあり | 固着しにくい |
| 仕上がり | 艶感あり | 艶感あり(艶消し仕様もある) |
| 安全性 | 高い | 高い(F☆☆☆☆・GREENGUARD認証) |
| 価格帯 | 低価格帯 | 中価格帯 |
耐擦傷性は塗膜をスチールウールで擦り、傷のつき具合を測る試験です。耐薬品性はアルコールを塗膜に付着しその変化をみます。耐汚染性はワイン・しょうゆなどの液体は浸み込むかの試験です。
環境配慮型水性ウレタンコーティングのメリット・デメリット

環境配慮型水性ウレタンコーティング(フロアプロテクトAP)ならではのメリットがあります。以下に列記の上、説明いたしますのでご参照ください。
メリット
- 耐久性
- 速乾性
- 艶の選択可能
- ダメージのある床にも対応
- ほぼ無臭
- 塗り重ねによるリコート可能
速乾性
一般的に硬化乾燥の早い水性塗料ですが、フロアプロテクトAPはおおよそ塗布後、60分~90分で歩行可能となります。これは入居中のお住いでのフロアコーティングでは大きな利点となります。
艶の選択が可能
グロス(つや有り)、セミグロス(半つや)、マット(つや消し)の3種類の艶からお好みを無償で選ぶことができます。強い光沢は床の状態を忠実に反映しますので、擦り傷や凹み傷などが多いフローリングの場合は艶を抑えたタイプのほうが仕上がり感がよいこともあります。
ダメージのある床にも対応
塗膜の厚いフロアコーティングですから使用により表面の荒れたフローリングでもしっかりと塗膜形成します。
ほぼ無臭
石油系有機溶剤を含まないので、いわゆるシンナーのような揮発臭はしません。非常に穏やかなニオイで環境性に優れています。
塗り重ねによるリコートが可能
フロアコーティングの種類によっては塗り重ねるときに既存塗膜の作用で塗料を弾くことがあります。塗料が均一に広がらないため塗りムラが生じます。このようなフロアコーティングの塗り重ねはサンドペーパーなどで塗膜を目粗しする必要があります。フロアプロテクトAPの場合はそのまま塗り重ねることが可能です。
デメリット
- 傷のつきづらさはガラスコーティングほどではない
- 水性のため、極端に低温のときは施工に適さないことも
傷のつきづらさに直結する塗膜硬度はガラスコーティングほどではありません。その分、もしマイホームへ導入したらイスの脚に保護剤を取り付けるなどの対策をするのがよいです。
また、水性タイプですのでマイナスの気温や床温度が5度を下回るような環境では、硬化に影響がでます。
他のコーティングとの比較・選び方
フロアコーティングでは、ガラスコーティングを頂点に以下、UVコーティング、シリコンコーティング、水性ウレタン、アクリルコーティングという性能や強度に基づいた序列があるようです。たしかに水性ウレタンとアクリルは、上位の3つと比較して強度が低い傾向にあります。ただし、上位の3つの差は明確ではありません。この順序でいうと、環境配慮型ウレタンは僅差の4位、シリコンの次といった感じです。
実用上は、子供の落書きや、ペットの爪による傷などつきにくくなっています。とくに半艶や艶消し(以下艶消し系)は、艶消し成分により傷がつきづらい上に目立ちにくいです。十分に、お子様やペットのいるご家庭でも役に立つ塗膜強度があります。
また、すでに生活による傷が無数にある床には、薄膜設計のガラスコーティングよりも環境配慮型のほうが向いています。肉厚な塗膜により、傷を覆い隠す効果が高いからです。
他種類のコーティングとの比較は、フロアコーティングの種類と選び方をごらんください。
フロアコーティングするタイミング別のアドバイス
このようなフロアプロテクトAPのキャラクターは、もちろん新築フロアコーティングにもよいのですが中古住宅への入居前やすでに入居している住宅へのフロアコーティングに最適です。
新築住宅の場合
建具やインテリアのカラー、お好みによって選べる艶が3種類あります。単身者やご夫婦お二人の世帯の場合はもちろんのこと、お子様やペットのいるご世帯でも一般的に十分な床保護効果と耐久性で、安全性も申し分ありません。
中古住宅(入居前)の場合
築年数にもよりますがフローリングが傷んでいることも少なくありません。環境配慮型水性ウレタンコーティングのフロアプロテクトAPなら傷んでいてもしっかりと保護膜を形成します。より酷く傷んでいる部分などには塗り重ねるなどの下地調整が可能です。艶消し系を選ぶことで塗り重ねていってもテカテカな光沢感にはなりません。
入居中住宅の場合
家具移動をともなうフロアコーティングでは、速乾性が非常に役に立ちます。家具の戻しも含めて、施工面積50㎡程度なら、通常朝から作業をはじめて夕方には通常の生活ができます。臭気がほぼ無いというのもお客様にとって安心です。
環境配慮型ウレタンコーティングの事例
当社では、フロアプロテクトAPの名称で環境配慮型水性ウレタンコーティングを展開しています。艶はグロス(艶有)・セミグロス(半艶)・マット(艶消し)からお好みを選ぶことが可能です・多くの実績があり、その耐久性と安全性、仕上がりの素晴らしさに高評価を得ています。
横浜市中区・新築一戸建ての事例


【コーティング種類】環境配慮型ウレタン(フロアプロテクトAP)
【光沢仕様】半艶(セミグロス)
【施工範囲】4LDKフローリング全て(約55㎡)
【床材種類】挽き板フローリング
【お客様コメント】期待以上のきれいに仕上がり、滑りにくくもなりく満足です。
東京都練馬区・中古マンションの事例


【コーティング種類】環境配慮型ウレタン(フロアプロテクトAP)
【光沢仕様】半艶(セミグロス)
【施工範囲】2LDKフローリング全て(約28㎡)
【床材種類】突板板フローリング
【お客様コメント】キズが目立たなくなっていて驚きました。においも全然感じません。
自信をもってオススメできる水性フロアコーティングです
環境配慮型ウレタンはフローリングの種類も選びません、最近では主流のワックスレスやワックスフリーのフローリングにもほとんどに適合します。従来の突板や挽板、無垢のフローリングにも相性がよいです。
環境基準の高いEUではほとんど油性塗料は使用できなくなっているため、非常に早いピッチで性能の高い水性塗料の開発が進んでいます。水性だからといって水に弱いなどいうのは昔の話です。
ぜひ、環境配慮型水性ウレタンコーティングに興味をもった方はフロアプロテクトAPをご検討ください。

