フロアコーティングというとフローリングに塗料を塗ることを思い浮かべることと思います。実際その通りなのですが、お客様が満足するクオリティに仕上げるには、ただ塗るだけでは上手くいきません。重要なのは事前のクリーニング、そして、塗布面を整えることにあります。
今回当社が依頼を受けコーティングした物件は築20年の一戸建て住宅です。お客様は壁クロスなどいくつかのリフォームを行いましたが、フローリングはこのまま使用したいとのことでした。まだ幼いお子様のいるご家庭ですので、お金をかけて新品のフローリングにしても短時間で傷だらけにしてしまう可能性があります。この段階ではフロアコーティングを選択して、お子様が成人され一人暮らしを始めたり、ご結婚されたり、というふうに家族構成に変化が生じたらフローリング張替えを検討するというプランです。
ちなみにフローリングにつく傷のほとんどは10歳以下のお子様による悪戯や乱暴行為が原因です。成長するにつれ傷がつくような行為が減り中学生くらいになると大人と変わりません。もちろん個人差もあって中にはまったく床を傷つけるようなことをしないお子様もいますが、私の経験でいうと非常に稀なケースです。
古いフローリングは概して汚れていますので、まずはしっかりとフローリングに付着している汚れを落とす必要があります。たいていの場合ワックスが何度かは塗られていますので剥離剤を使用してワックス塗膜もろとも汚れを根こそぎクリーニングします。
クリーニングができたら、今度はリペアを行います。当時一般的なフローリングは突板フローリングといって、大根のかつらむきのように薄く剥いだシート状の木材を表面に貼りつけてあります。シート状の木材のことを化粧板といいますが、この化粧板が木の繊維方向に沿って割れてきます。最初は線状のごく微細な割れであっても徐々に割れ目が開いてくると見た目にもよくありませんし、何より化粧板の剥がれなど、より深刻な症状につながっていきます。