暑い最中、横浜市は栄区の新築一戸建てへフロアコーティングを施工すべくワゴン車を走らせました。依頼主のK様は素敵な新築を購入後、フローリング材がシートフローリングであることを知り、水濡れや小さいお子様のおられる環境下での汚れが気になり、当社へ相談された次第です。
洗面室やトイレなど水に濡れやすい部分も含めて同じシート系の床材となっています。具体的なメーカー名、モデル仕様は永大アトムフィットのナチュラルオーク柄です。
自身でお調べになると、シートフローリングにコーティングは不要という情報もあり、当社のその点での見解や、実際の費用について知りたいというのが、最初のお問合せでした。
フロアコーティングをすることのメリット
フロアコーティングをすることのメリットは幾つもありますが、基本的には全て一つの要因に集約されます。それはコーティング塗膜による効果です。皮膜が床材を覆うことで、素材の保護になります。とてもシンプルなことなんです。
コーティングの塗膜には物理的なダメージへの耐性と化学的なダメージへの耐性があります。物理的とはイスを引き摺ったりすることで生じるような擦り傷や摩耗のことです。化学的とは薬品などでフローリングが変質することです。もちろん、100%すべてのダメージに対して損傷が起きないわけではありません。たし、フローリングそのものがダメージを受ける場合と比較すると、コーティング塗膜が間に入る分、少なくとも損傷は軽減されます。

水に対するフロアコーティングの耐性
「シートフローリングは水に弱い」というふうに言われることが多いようです。たしかに、このタイプの床材がはじめて住宅市場に現れた2010年頃は水によるトラブルが若干ありました。表面のオレフィンシートが接着されている素材は加工木材ですが、この部分が吸水することでフローリングにシワのような変形が生じるのです。現在ではかなり当初から年月を経て、改良が進んだ結果あまりこのような問題が起きていないように思います。だからこそ、水周り部分にも採用されているのでしょう。
とは言え、大量に水を床にぶちまけるということも可能性としてはあり得ますので、念のためのフロアコーティングは有効です。フローリングの繋ぎ目にもコーティング剤が塗られますので、水がオレフィンシートの下部に位置する加工木材まで侵入しずらくなるです。フローリングの側面まではオレフィン材は回り込んでいません。その部分は裁断された状態ですので、実際そこだけは水が入り込む余地があるのです。


新築のシートフローリングにはガラスコーティングがおすすめ
ガラスコーティングは超高硬度で薄膜という特徴の面からも、その成分からいってもシートフローリングとのマッチングは最良といえます。それを以下に説明いたします。
無機系塗料の特徴は塗膜がとても硬いこと
ガラスコーティングはシリカ化合物が配合された無機系塗料を使用するフロアコーティングのことです。特徴は塗膜硬度がとても高いことにあります。鉛筆硬度試験という物質の硬さを測る方法があるのですが、無機系塗料はおおよそ7Hから、非常に硬いものは15Hもあります。(鉛筆の芯の硬さと同じで、Bが柔らかく、Hが硬いということを表します。)ただし、あまり硬度があっても、フローリングの撓みで割れる可能がありますから、フローリングには通常7Hから9Hのものが使用されることがほとんどです。
塗膜の硬さは耐擦り傷性と比例します。硬いほどイスなどを引き摺っても傷がつきづらいのです。また、無機系の塗膜はUVコーティングの主成分であるウレタン樹脂では避けられない変質が極めて少ないです。塗膜があめ色になる黄変がりませんし、食品などの有機物による塗膜の浸食がないのです。
高い性能を誇るガラスコーティングだが、唯一の弱点は…
しかしながら、何事もそうですが弱点もあります。それは塗膜が薄膜なところです。薄膜でも超高硬度ですから擦り傷や経年の使用による摩耗には強さを発揮します。問題は既に消耗しているフローリングにコーティングする場合です。微細な傷も含めてフローリングに傷があると、薄膜なためそれを覆い隠す能力に欠けます。美観上あまりよろしくないのです。
このような弱点というか、特徴は新築の未使用フローリングではまったく欠点になりません。むしろ、近年主流の今回施工した永大アトムフィットのようなシートフローリング材は元の仕上がりが艶消しになっていますので、薄膜のため光沢値が低く仕上がるガラスコーティングは相性がよいです。メーカーが意図したフローリングの色合いや質感が保たれるのです。
環境配慮型の塗料だから、同じ仲間と相性がいい
また、シートフローリングの表層には製造時に0.3mm前後のクリア塗装膜が施されています。この塗装は環境配慮型の塗料が採用されています。このような弱溶剤型の塗料を塗布した塗膜には、石油系の強い溶剤を含むコーティングは要注意です。なぜならクリア塗装膜を溶かしていってしまう可能性があるからです。フロアコーティングで使用する無機系塗料はイソプロピルアルコールなどの弱溶剤が含まれます。弱溶剤塗料であれば、弱溶剤塗料の塗膜に塗布しても問題ありません。
VOC(揮発性有機化合物)による環境負荷や人体への影響といった面からも、床材との塗料適合性からもガラスコーティングがシートフローリングには最適というわけです。当社ではフロアガラスSiというサービス名で他社に先駆けて2011年から無機系塗料を使用したコーティングを展開しております。ご興味のある方は、是非お問合せください!