リフォームすることを前提として中古マンションを購入されたお客様よりフロアコーティングの依頼を受けました。とても程度のよい物件ですが残念なことに新築時に施されたと思われるUVフロアコーティングが一部がペロリと剥がれてしまっています。他の部分はおおむね光沢感が保たれているだけに惜しい感じがします。

今回はお客様のSOSをうけ当社の腕利きの職人がこのひどく剥がれてしまった部分をキレイに修復しますので最後まで是非ご覧ください。

剥がれた部分の修復

UVコーティング剥がれ
  1. 左端Beforeは施工前の状態です。中央のピースをご覧いただくと白く見える部分があります。そこが剥がれて完全に床材の地肌が露出している状態です。
  2. 中央の写真は修復施工途中になります。テープで囲んだ部分の塗膜をほぼ全て除去したところです。
  3. 右端Afterは施工完了後になります。コーティングを塗布して左右の床を同じような光沢感になりました。

フロアコーティングがこのように大きく剥がれることは滅多にないことではありますが、このようなレアケースも実際にはあります。

剥がれている部分のみに塗装しても境目が目立ちますので、問題箇所のピース全体の塗膜を刃物で剥がしにかかりました。結局全ては剥がせなかったのですが8割方剥がすことができました。残った部分はサンドペーパーを粗い目から細い目のものまで順に使用して研磨しました。すべてUVコーティングの塗膜を除去したのちに左右のピースと艶が合うよう数回塗装しました。今回のご依頼は水性ウレタンコーティングですから元々のコーティングとは違うのですが艶感は合わせることが可能です。

修復施工が終了してから、全体をさらにコーティングして完了です。ひときわ目立っていた剥がれ部分はすっかり修復され美しいフローリングが取り戻されました!

リビング施工後

フロアコーティングが剥がれる理由

今回のケースのようにコーティング塗膜が剥がれる理由は大きく以下の2つがあります。

密着不良

密着不良とは床のクリーニングが不十分な場合に起こる施工不良です。床に油分や洗剤が付いていたりすると塗膜硬化後であっても剥がれることがあります。ただし、この場合何年も経ってから起こるということはほとんどありません。

膨張率の問題

今回のケースはフローリングとの膨張率の差によるものと考えられます。膨張率とは床が湾曲したときに生じるフローリングとコーティング塗膜の物理的変化の違いのことです。フローリング撓ったときにコーティング塗膜もそれに追従するように撓るとよいのですが、そうでない場合は塗膜とフローリングの間に空間が生じます。

実際に今回の現場では他にもいくつか小さなものではありますが、塗膜内部にマメのような空胞が生じていました。それが破れると剥がれになりますし、少しでも剥がれが生じるとどんどん広がってきます。

適切な塗膜の厚さが重要

剥がれた塗膜片

樹脂ワックスのように柔らかい塗膜ではこのような現象は起きませんが、UVフロアコーティングのように硬く分厚い塗膜ではこのような現象が起きる可能性があるのです。

もちろん基本的にはこのようなことが起きないように塗料は設計されているものですが施工の際に厚塗りしてしまったりすると可能性が高まります。ですので、いつも私が言うように施工はすごい大事なのです。

UVフロアコーティングは推奨できないのか

上述しましたように施工次第なのです。今回の修復施工では剥がれていたピース全体を刃物で剥がしにかかりましたが塗膜の厚いところと薄いところが混在していました。

剥がれの中心部分は塗膜が厚く取り除けたのですが、剥がれの生じていない部分は塗膜が薄いため刃物が塗膜と床材表面の間に入らず研磨するしかなかったです。このことからも厚塗りが剥がれの原因だったことが推測されます。

塗膜剥がし

フロアコーティング業界ではUVコーティングというと油性ウレタン塗料に紫外線硬化触媒を含めたものが一般的ですが、当社ではより塗膜硬度の高いシリコーン塗料タイプの紫外線硬化型塗料を使用しています。塗膜硬度がより高いため塗膜設計を薄くすることができ床への追従性が向上するからです。

また現在人気のガラス塗料を使用するフロアガラスSiも薄膜設計になっているため、UVコーティングと比較すると光沢感はやや控え目ながら剥がれリスクが非常に少ないものとなっています。

高硬度の薄膜設計

たまに他社フロアコーティングの塗りサンプルを目にする機会がありますが、見た目重視のためかもの凄く厚塗りしていたりします。サンプルだけならよいのですが、もし本施工でも同じように仕上げているとしたらちょっと危うく感じます。

一般の方のなかにはコーティングは厚いほうがよいと思う方もいるかもしれませんが、どんなに塗膜が厚くても表面が摩耗すると白く曇ったようになり見映えが悪くなります。

大切なのは簡単に摩耗しない硬さです。厚さは薄ければ薄いほどフローリングへの追従性が向上し剥がれリスクが減少します。高硬度・薄膜仕様がベストなのです。

ただし光沢だけは薄いと控え目になります。けれども本来フロアコーティングは床保護効果を期待して行うものですので、そこは許せるのではないでしょうか。