ワックスがけの方法とその目的、さらには業者に依頼する場合のメリットなども説明します。大切なマイホームに関わることですからフローリングの取り扱いにお悩みの方はぜひ一読ください。

フローリングの経年劣化を抑制するには

ここでいう経年劣化とは不注意や子供のイタズラによる傷つきというよりは経年によるフローリングの避けられない消耗のことです。

もちろん永遠に消耗しないフローリングはあり得ませんが、ワックスを塗ることである程度はフローリングを保護し消耗を遅らせることができます。ワックス塗膜が保護膜となってフローリングを傷、汚れ、乾湿による影響を受け止めてくれるからです。

まずは基本的なワックスの塗り方をご紹介しますが、ワックスでのメンテナンスには気をつけたい点もあります。後半にその理由を記しますので併せてお読みください。

ワックスがけでフローリングを保護する

ワックスはスーパーでも売っていたりしますので、簡単に手に入り塗ることができます。けれども上手く塗ることに失敗するともとの状態を取り戻すことはできません。購入したワックスの取り扱い説明書などをよく読んでから実行してください。

とくにワックスを塗る際には以下の点について注意してください。

  • 事前にフローリングの汚れ落としをする
    汚れや埃の上からワックスを塗ると見た目もよくありませんし、ワックス自体もしっかりとフローリングに定着しない原因にもあります。必ず掃除機がけと水拭きを行なってから塗ってください。
  • なるべくいいワックスを使用する
    塗るのは樹脂ワックスというタイプが一般的なフローリングでは最適です。スーパーの生活用品売り場にいくと1本千円位からありますが、できることなら1本5千円以上のものが望ましいです。一般的には値段に比例して樹脂量が多いためより耐久性が高いからです。
  • 雨天や気温の低い日を避け、天気の良い日に塗る
    晴天で温暖な日のほうがワックスの乾きも早く塗りやすいです。フローリングの温度が5℃以下になるとワックスが固まりませんので冬場は避けたほうがよいでしょう。

ワックスのデメリット

フローリングの経年劣化を抑制するにはワックス塗布は有効な方法ですが以下の点について知っておいてください。ワックスはワックス塗膜自体が抱き込みといって汚れを吸着するような現象を起こします。

継続しなくてはならない上、労力が問われる

そのため一度ワックスによるメンテナンスを選ぶと使用状況にもよりますが半年に一度位の頻度で洗剤による拭き掃除をしてワックスを塗布することが必要となります。その際には家財なども移動しなくてはいけませんので、かなりの労力が必要となります。

剥離剤の使用が必要な場合も

洗剤で落としきれないような汚れがあるときは、剥離剤という専用の洗剤でワックス塗膜ごと取り除かなくてはいけません。剥離剤は一般の方でも購入は可能ですが、フローリングを痛めることなくキレイにワックス塗膜を除去するには専用機材を使用するプロに任せることが望ましい作業です。

ワックスを塗り重ねる弊害も

そうして定期的にワックスによるメンテナンスを行ったとしても、塗り重ねていくことによる弊害が現れることがあります。あまりに厚く塗り重ねたワックス塗膜は何かのきっかけで部分的に剥がれることがあります。また、見た目が体育館のフロアのようにテカテカになり、人によっては受けつけないことがあります。

プロに任せることも検討しよう

ワックスの塗布を定期的に継続することは、ワックスを塗ることが苦にならない方や、家族のイベントとして楽しんで塗ることができる方はともかく一般的にうまくいかないことが多いです。途中で放棄されたワックスメンテナンスによるフローリングは上述しましたように、どんどん汚れフローリングに黒ずみを生じさせます。

いっその事、フロアメンテナンス業者などプロに任せるのも労力がかからず、かつ有効な方法です。プロに任せる場合は二通りの方法があります。一つは業務用の高性能なワックスを塗ること。もう一つは一般的にフロアコーティングと言われている方法で、塗料を塗ることです。

プロに依頼する場合

業者に依頼することでワックスやフロアコーティングの仕上がりは格段に素晴らしいものになることが約束されます。費用が発生することがデメリットですが、長い目でみるとかえってお得になることもあるのではないでしょうか。

ワックスを依頼する

ワックスをプロに依頼すると業務用の高性能なワックスを最初は2度塗りします。1年位は十分持ちますので以降は1年に一度程度リビングやキッチンなどよく使用する部屋のみ、塗り重ねを依頼すれば常時美しいフローリングを保つことができます。(一般的に寝室などは3~4年に一度で十分です)

塗り重ねにより塗膜が厚くなってきたら適宜、剥離を行ない適正な状態に保ってくれることでしょう。当然、家財の移動などもやってもらえます。

依頼先はハウスクリーニング会社ならどこでも請け負ってもらえますが、できることならフロアメンテナンスに詳しい会社や専門の会社に頼むのがよいです。

フロアコーティングを依頼する

プロにフロアコーティングではウレタン塗料、シリコン塗料、ガラス塗料など様々なフローリング保護に役立つ塗料を使用します。その使用塗料により床を保護する効果や耐久性が微妙に異なります。フローリングの種類による適合性の問題もありますのでフロアメンテナンスの専門会社と相談する必要があります。

フロアコーティングはワックスと比較してはるかに床保護効果が高く長期間の耐久性がありますので結果としてフローリングを長持ちさせることができます。推奨する塗り重ねメンテナンスの頻度としては使用塗料の種類にもよりますが5年~10年位です。

新築フロアコーティングの業界では20年や30年などの長期保証することが習わしのようですが、その間は無傷を保証しているわけではありません。室内のコーティングですから経年で塗膜の性質が変化することはほとんどありません。けれどもフロアに塗るわけですから自動車のタイヤと同様、徐々に傷や摩耗による消耗が生じます。最長でも10年前後での再メンテナンスを想定しておいてください。

初期の対応が将来を左右する

プロに依頼するとワックスでもフロアコーティングでも費用が発生します。マイホームを購入される方は、たいてい子育て世代ということもあり今後の養育費や学費などを考えると予算の捻出が難しいことが少なくないでしょう。

そういった場合は取り敢えずご自分でワックスを定期的に塗るか、比較的安価な水性ウレタンを使用したフロアコーティングをすることをおすすめします。

保護膜が全くない状態のフローリングは汚れが直接フローリングについてしまうことになります。いざ子フローリングを美しく再生させようというときに直接フローリングに生じた汚れは取り除くのが難しいのです。また、そもそも保護膜のないフローリングはひび割れや表面板の剥離などが生じることで張替えのほか手立てがなくなってしまいがちです。

マイホームのフローリングを労りながら長く愛用したいなら、当社がお手伝いできることがあります。普段のお手入れのことでも、何でもフローリングのケアーに関することならお気軽にお問い合わせください。