UVコーティングとガラスコーティングの比較を、専門家の視点から性能や特徴の違いを中心に検証します。どちらも人気のフロアコーティングで、価格帯も近い両者ですが、キャラクターはかなり違います。本記事を読むことで、自分は(もしくは自分の家のフローリングには)どちらが最適なのかわかります。
UVコーティングとガラスコーティングの比較
塗料成分や施工方法など技術的なことはさておき、ユーザーであるお客様にとって必要なことについて述べます。ポイントとなるのは次の5つです。
- 傷つきにくさ
- 耐用年数
- 安全性
- 光沢感
- お値段
順に説明いたします。
1.傷つきにくさ(床保護効果)
フロアコーティングはフローリングを保護するものですから、コーティング塗膜はその犠牲となってボロボロになっていきます。というのが初期のフロアコーティングでした。でも、いくらフローリングへの直接な傷付きを守るといってもコーティング塗膜に無数の傷が生じたり、剥がれたりするのはイヤなものですよね。
そこで、フロアコーティングはどんどん塗膜が傷つかないよう硬くなる方向へ進化してきました。その頂点に君臨するのがガラスコーティング!塗膜の硬さはガラスコーティングの一番のメリットであり特徴なのです。
塗膜の硬さはJIS規格の鉛筆硬度試験により明確に数値で表すことができます。一般的なUVコーティングが2H前後なのに対してガラスコーティングでは7H~9Hの硬度があります。(※鉛筆同様に数値が大きいほうが固い)
そのため家具等での擦り傷や子供の玩具等でのイタズラに対して傷がつきにくいのです。UVコーティングでも通常は十分すぎるほどの硬度ですがガラスコーティングはそれに輪をかけて強力な性能なのです。このことはUVコーティングに対してガラスコーティングは大きなアドバンテージがあります。
2.耐用年数
フロアコーティング外壁塗料のように紫外線や降雨などにより化学的に変質して劣化するというよりは、物理的な摩耗による使い減りで耐用年数が決まります。毎日の歩行や家具を動かすことによる摩耗で徐々にすり減ってくるのです。
「えっ歩くだけですり減る!?」と思うかもしれませんが、例えば歩いた時に足元はツルツルと滑らないですよね。ということは摩擦抵抗が働いているということですから塗膜には負荷がかかっている状態です。家族の皆が日々何年も何年もくり返し歩くことで廊下なら中心部が両脇よりも早く摩耗して白く曇って見えてきます。
UVコーティングとガラスコーティングのどちらがより耐用年数が長いのか。ということはどちらがより摩耗しずらいのかというふうに言い換えることができます。そうなると有利なのはやはり塗膜硬度の高いガラスコーティングです。
ただし公平を期すために付け加えると一般的にUVコーティングのほうが塗膜自体は厚いです。塗膜が完全になくなるまでが耐用年数ということならUVコーティングが有利といえますが、そのような使い方は現実的ではありません。(その場合は耐用年数が何百年ということになってしまいます。)
実際にはフロアコーティングの場合は上述したように使い減りによる消耗ですから、自動車のタイヤが年月よりも走行距離で使用期間が決まるのと同様です。家族の人数や使い方によって耐用年数は大きく変化します。ですから具体的な年数を挙げるのは難しいのですが、強いて言うならUVコーティングやガラスコーティングなら少なくとも10年、場合によっては20年くらいはノーメンテナンスでいけるとと思います。とくにガラスコーティングなら傷や摩耗の少ない良い状態を長く保ってくれるのではないでしょうか。
3.安全性
ここでいう安全性は揮発性化学物質(VOC)の問題です。水性のコーティング以外ではコーティング剤には必ず溶剤という揮発性のある液剤が含まれます。
UVコーティングは石油系溶剤、ガラスコーティングの場合はアルコール溶剤が含まれます。(※例外もありますが本章ではこれをベースに話を進めます。)どちらのコーティング剤も建築内装材として無制限に使用してもいいよというF☆☆☆☆(エフフォースター)の認定を受けているのが一般的です。ですからどちらも安全性の高いものといえます。
けれども、より突っ込んだ話をすると、じつは国交省の定める塗料試験はホルムアルデヒドの放散量のみです。ところが、他にも有害な化学物質はたくさんあります。化学物質過敏症や喘息、アレルギー症状が気になる方は石油系溶剤のUVコーティングよりもアルコール溶剤のガラスコーティングのほうが安心です。ガラスコーティングは食品衛生法、食品添加物等の安全基準も満たしています。
4.光沢感
仕上がりのツヤのことをいっています。この点では明確にUVコーティングのほうが強いテカリ感があります。UVコーティングのほうが塗膜が厚いからです。
ガラスコーティングではUVコーティングの半分程しかツヤが上がりませんので、とくにシートフローリングなどで多い半艶仕上げの床材ではごく控えめな艶感となります。これは人によってはデメリットかもしれませんが、もともとシートに再現された天然木ですから、艶を過度に上げないことでリアルさが維持されます。オリジナルの風合いを維持するという面では、むしろメリットです。
5.料金
気になるお値段はどうでしょうか。UVコーティングは性能の高さからフロアコーティングでもっとも高価格なものです。一方のガラスコーティングはというと、やはり性能に比例して高価格です。相場的にはだいたい同じくらいでしょうか。本来はガラスコーティングのほうが塗料原価は高いのでお値段も高くなるはずですが、根強いUVコーティング人気や昨今の景気により強気のプライスがつけられないのです。
どちらも高性能で長持ちしますので、リピートの依頼があっても何十年も先になります。施工会社としては決して安売りできないコーティングです。逆にもし相場よりも何割も安く売っているUVコーティングやガラスコーティングがあったとしたら疑ってかかったほうがよいかもしれません。
最近のUVとガラスの価格相場
現在のUVとガラスを依頼した場合の概算費用は以下の通りです。
| 種類 | 施工面積50㎡ | 施工面積70㎡ |
|---|---|---|
| UVコーティング | 20~23万円 | 28~31万円 |
| ガラスコーティング | 19~21万円 | 26~29万円 |
施工面積50㎡は3LDKマンション、同じく70㎡は4LDK戸建てのフローリング面積を想定しています。
施工直営店なのか、施工を下請けに任せる販売会社なのかによっても費用は変わります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
フロアコーティングの価格相場はこちら
ガラスコーティングの特徴
ガラスコーティング塗料成分
- 主成分:二酸化ケイ素(シリカ:Si02)・ケイ素化合物
- 溶剤:アルコール系
- 光沢:微光沢性
- 特徴:無機成分による高硬度で透明な塗膜。耐擦傷性にすぐれ、無機成分により塗膜の変質が少ない。
塗膜が硬く傷がつきにくこと、経年による塗膜の黄変や汚染(塗膜が黄色くなること・汚れが取れなくなる)ことが少ないのがメリットです。
デメリットは硬化時間が5~6時間かかることです。これは無機系塗料の宿命で、シリカを主成分とした高分子化合物の結晶被膜化に時間を要するのです。
ガラスコーティングについて詳しくはこちらの記事もご参照ください:
UVコーティングの特徴
UVコーティング塗料成分
- 主成分:ウレタン樹脂(紫外線硬化型)
- 溶剤:石油系溶剤
- 光沢:高光沢
- 特徴:紫外線を専用機器で照射することにより短時間で塗膜が硬化します。ウレタン塗膜は柔軟性があり、美しい光沢があります。
紫外線照射による短時間硬化が最大のメリットです。密着性が高く光沢感のある塗膜が特徴ですが、石油系溶剤のため刺激臭を感じることがあります。
石油系の強溶剤は、シート床材に対しては溶解させる作用が働くことがあります。そのため、最近では「水性」や「シリコン系」のUVコーティングも増えてきています。塗膜の特性は塗料成分に左右されますので、塗料種類を確認することが重要です。(UVは正確には工法を指すことばです。)
【結論】 どちらを選べばよいのか
UVとガラスの比較検証のまとめとなります。どちらを選べばよいのか、シンプルにまとめましたのでフロアコーティングを検討の方は、とくに参考にしてください。
UVコーティングを選ぶ方が、満足度が高い方
- テカリ感のある高光沢を求める方
- 入居中の施工などで、短時間の硬化(乾燥)が必要な方
ガラスコーティングを選ぶ方が、満足度が高い方
- 自然な光沢感を求める方
- 床材がシートフローリングの方
- 擦り傷のつきにくさを重視する方
- 万が一の場合に手直しが可能なものがよい方
滑りにくさは、UVとガラスで大きな違いはありません。犬や猫などの足腰保護が気になる方は、滑り防止骨材が含まれた、当社ならフロアシールEPXのようなフロアコーティングがおすすめになります。

