ウッドワン社のコンビットリアージュ152はフロアコーティング可能なフローリングです。同床材は「オレフィンシート」に「EBコーティング」の表面仕上げが施されています。オレフィンシートの下には「MDF」(中密度繊維板)という加工木材が使用されています。

最近ではよく使用されるタイプのフローリングといえます。「オレフィンシート」+「EBコーティング」+「MDF」という組み合わせの床材はダイケン(大建工業)、永大産業、パナソニックなど様々なメーカーから販売されています。

以下に同床材にフィーチャーされている技術についての解説、フロアコーティング施工における注意点などを記しますので、ぜひご参照ください。

コンビットリアージュ施工写真

当社でガラスコーティングした現場写真です。ホワイト系の淡い色の場合はあまり強い光沢感がでません。ナチュラル派の方にはちょうど良い艶です。

コンビットリアージュ施工後

床材情報

  • 【メーカー】 株式会社ウッドワン
  • 【モデル名】 コンビットリアージュ152木質柄
  • 【カラー 】 クリーミーホワイト色(シカモア柄)
  • 【床材種類】 シートフローリング

コーティング情報

  • 【現場名称】 川崎市高津区M様邸(新築一戸建て)
  • 【施工種類】 フロアガラスSi(無機系ガラスコーティング)

コンビットリアージュ技術解説

オレフィンやEBコーティングといっても普通は何のことかわからないと思います。なるべくわかりやすく解説しますのでフロアコーティングを検討の方はざっくりとご参照ください。毎日、フローリングの上で生活するわけですから自分の家の床材についておよおそ理解していたほうがよいです。お掃除方法や張替えの際には頭の片隅にでも入っていたほうが役に立ちます。

最近よくフローリングの表面に使用されるオレフィンとは

オレフィンシートというのは不燃性プラスティックの紙一枚分ほどのシートに木目模様などをプリントしたものです。従来より家具などで使われていたものと同様のものです。高級家具はともかくお求めやすい家具については一枚の板ではなく集成材や加工木材の上に木目模様の薄いシートを貼っています。そのようなものが床材にも使われるようになりました。

プラスティックに本物の木に似せた模様をプリントするのは大変な技術です。ですからフローリングメーカーもオレフィンシートに関してはDNP社(大日本印刷)など特殊印刷技術のある会社と提携して取り入れています。

EBコーティング(電子線照射塗工)とは

フローリングは一般的に表面にはクリア塗装という透明塗料を施して素材保護効果と光沢感を付与しましす。オレフィンシートを採用したものも同様ですが、塗装工法が異なります。従来の木質の表面板(突板や化粧板といいます)ではUVウレタン塗装が一般的でしたがEBコーティングに変わりました。

UVが紫外線照射により塗料を硬化させるのに対してEBでは電子線照射によります。それらは主に塗布した塗料を速やかに硬化乾燥させるためのものですが、使用する塗料そのものにも違いがあります。UVの場合はウレタン塗料ですが、EBの場合はより環境に適合した揮発性化学物質の極めて少ないものが使われます。

MDF(中密度繊維板)とは

原木を加工して木材として使用する際には多量の端材や木クズが発生します。MDFはこのような素材を有効利用して作られるのです。製造方法はまずは細かく裁断して、それから樹脂と一緒に固めます。比較的安価で寸法などの規格が安定しているのが特徴です。

フローリングは一枚の板からなる単層フローリングと、複数の板を重ね合わせ表面のみ見映えのよい板を使用する複層(複合ともいいます)フローリングがあります。前者の代表が無垢フローリング、後者はシートフローリング、突板フローリング、挽板フローリングなどがあり、それらの違いは主に表面素材の違いにあります。シートフローリングはオレフィンシート、突板フローリングは木材を1ミリ以下に薄くスライスした板、挽板フローリングは木材をノコギリで挽いてカットした3ミリ~5ミリ程の板が使われたものを指します。

話が少しそれましたがMDFは複層フローリングの基材部分、要するに表面板の下に配置される板です。特にオレフィンや突板は紙一枚ほどの厚みですから、その下には凸凹などが生じないよう平滑性に優れたMDFが好んで使用されます。

フロアコーティングする際の注意点

最近の標準的なフローリングですから、それなりの施工実績のある専門のフロアコーティング施工会社ならまったく問題なく仕上がるはずです。

ただし、技術解説で述べたようなことが理解できていないような未熟な施工会社の場合は要注意です。(残念ながら一部にはそのような業者も存在すると思われます。)

オレフィンシートとEBコーティングの組み合わせは、しっかりと正しい事前清掃を行わないと無垢フローリングなどとは異なり簡単に密着不良を発生します。また事前清掃において多量の水を使ったり、水を放置して塗れたままにするとMDF素材が水を吸い上げてしまいフローリングに歪みを発生してしまうこともあります。

大切な我が家のフローリングですからコーティングするなら出来るだけ専門店に依頼することがよいでしょう。不動産販売会社、建築会社、住宅リフォーム会社など住宅関連会社を介してもフロアコーティングは依頼できることも多いですが必ずしも経験豊かな施工会社が実際に施工を担うわけではありません。

この記事にたどり着くような情報収集に長けた方なら、やはり受け身の姿勢ではなく積極的に施工会社をあたったほうがより品質の高いコーティングをより安価に注文できると思います。