最近の建売住宅や分譲マンションではシートフローリングが採用されることが非常に多くなっています。シートフローリングはオレフィンというプラスティックのシートに木目模様などをプリント(印刷)したものを化粧板として表面に貼り付けたものです。
無垢材の使用が減少したのは大人の事情が…
プリント技術の向上により今ではかなり精巧な本物の木材のように見えるフローリングが生産されるようになったのです。また一方では、コスト、合理性、生産管理、安定的な供給などが重視された結果ともいえます。本物の木材を削り出して作る化粧板はオレフィンシートと比較して原価が高くなりますし、すべてが同じように完成しませんので歩留まりもよくありません。住宅の供給に合わせて木材から化粧板を生産し続けることがますます困難になってきています。
このような理由からシートフローリングが住宅に使用されるようになって久しいわけですが、実はコレほとんど供給側の事情だったりします。
お客様自身でフローリングを選べる場合、注文住宅やリフォームのときは多くのお客様が本物の木のみで出来たフローリングを選ばれます。無垢フローリングという単層の床材や、挽板フローリングといって通常は紙一枚ほどの厚みの化粧板が3~5mmの厚さにすることにより複層フローリングであっても無垢フローリングのような木ならではの風合いを求めた床材が人気です。
やはり比べるとカタログの写真から受ける印象以上に、やはり天然ならではの温かみのようなものがあるのです。
キッチンだけお願いします!?
前置きが長くなりましたが、今回はそんな無垢フローリングを新しいお住いに所望され、実際に叶えられたお客様のコーティングです。
じつは、ちょっと残念なのですがフロアコーティングを希望されたのはキッチンの床のみです。というのも基本的には無垢の風合いを生かしたいということで新築時にオイルを塗られています。ただし、キッチンのように水がはねたりする部分はオイルでは少しプロテクションが物足りない。水がかかる場所では水抜けといって水滴跡が残ったり、床に水が吸水されてしまいカビや腐食の原因になるからです。
といったことをアドバイスしたわけではないのですがお客様ご自身でそのように判断されキッチンの無垢フローリングは相性のよい水性ウレタン塗料でコーティングをご依頼いただきました。
(上画像:コーティング前)
無垢材といっても表面には工場でUV加工されたものも多いのですが、こちらのパイン材の無垢フローリングはは無塗装品です。そのためプライマーを事前にしっかりと素材に染み込ませてから仕上げ塗料をコーティングします。
プライマー塗布の後、仕上げ塗料の水性ウレタン塗料を3回塗り重ねて完了です。コーティングというと光沢が上がることで不自然なくらいピカピカになるイメージを持たれる方も多いのですが、今回の半つや仕様ではそのようなことはありません。
(上画像:コーティング後)
近くでみると質感として塗膜を感じますが、遠目にはオイルを塗布された部分と同じように見えます。仕上がりにはお客様にもご満足いただき本当によかったです。
無垢フローリングのコーティングなどメンテナンスでお困りの方がいましたら、ぜひ、ご相談ください!