タイルコーティングをご依頼いただいたのですが、なんとタイルには緑のペンキが至るところに!自分でDIYされたベンチを塗装した際に塗料を散らしてしまったとのこと。
塗料は油性塗料でしっかりと乾いて硬化している状態です。一般的に油性塗料は一度乾くとシンナーなどの溶剤を用いても簡単には溶けてきません。まして石材質のタイルに付着しています。タイルは表面に細孔があり凹凸もありますので、例えば平滑なガラスに付着した場合とは違い強固に食いついています。
スクレーパーで塗料をはねようとしても取れるのは凹凸の突起している部分だけですし、タイルを傷つける恐れもあります。また、多量のシンナーで溶かしていって、もし溶けたとしても色がタイルに染み込み奇妙な薄緑色になってしまうことも考えられます。
汚れ落とし技術
素材を傷つけずに、かつ、色の沈着を極力抑えるにはどうすればよいか?導き出した答えが以下の方法です。日曜大工で塗装を試みたけどいろんなところにペンキを飛び散らせてしまった方は、ぜひご参考にしてください。
1.まずはヒートガンで熱を加えました。
高温の熱風を吹きかける機械です。これにより塗料を柔らかくします。
2.ソルベント(溶解液)を垂らします。
キズ補修の際、余分な充墳用ワックスを取り除くリキッドサンドペーパーという溶剤を使用しました。揮発の早いものより遅いもののほうがこの作業には適しています。塗料の薄め液などをご利用ください。
3.白パッドで擦ります。
パッドは緑、茶色、黒などより硬いものでもよいかもしれませんが、どうしてもパッドの繊維が微妙にタイルに付着しますので目立たない白を選びました。ヒートガンで熱を加えていますので白パッドでも落とせます。あまり力を加えると色が素材内部に入り込んでしまいますので柔らかくペンキを浮かせるような気持ちで擦ります。
5.こんな感じになりました。
すこし緑が残っています。色素は微粒子なので素材に浸透してしまうのです。そこで、もう一度、ソルベントを使い今度は擦らずにペーパータオルで吸着します。(ゴメンナサイ写真撮り忘れました^^;)
6.完成です!!
かなり上手くいったのではないでしょうか。今回のポイントはヒートガンで熱を加えたことにあります。そのことにより塗料が柔らかくなり、ソルベントの効きも最大化することができました。
一般のご家庭でも固着した汚れを落とすときは、ヘアドライヤーを使用したりすると案外簡単に汚れ落としできたりすることがありますよ。