フロアコーティングは工場で製造されたものを現場で取り付けるような作業とは一線を画するものです。たとえばエアコンの設置作業ならば、作業する人により仕事の精度などに多少差はあっても、それにより暖房時の室内の温まり方が違うというような機能に差が生じることはないでしょう。
職人により左右するフロアコーティングの品質
ところが、フロアコーティングにおいては施工の上手い下手で仕上がりの美しさも性能も違ってくるのです。塗りムラをつくると見た目を損なうことはもちろんのこと、適切な下地処理(事前の清掃など)を行わないと床材と塗料の密着性に問題が生じることで本来の耐久性が発揮しないことがあります。
マニュアルに従うだけじゃダメ
フロアコーティングの施工にはいくつかの工程があります。けれどもその工程をマニュアルをこなすように行っても平凡以上の仕上がりにはなりません。
人間のやることですから、ひとつの工程を確実に行ったとしても少しはやり残しがでるものです。具体的にお話すると例えばコーティング塗布前のクリーニングを行ったとしても、100パーセント汚れを取り除けるかというとそれは無理に等しいことです。人間のやることですから全体を隈なく清掃したとしても、やはり見直してやり残した部分をやり直すことが必要です。
そもそも施工現場も毎回同じ条件ではありませんから、いつものやり方や使用道具・洗剤類が毎回通用するわけではないのです。
一生けんめい作業して、でも立ち止まって見直す、部分的にもう一度作業するというのは人間の心理としてはけっこうキツイものがあります。自分を否定するようなものですし、時間も労力も工程をどんどん進めるやり方と比べて大幅にかかります。
お客様を想う気持ちが大事
けれども、そうしてひとつの工程が終了するごとに見直しと手直しすることがすごく重要なのです。仕事と割り切れば工程をこなしていけばいいのでしょうけど、「お客様に喜んでいただきたい」という想いがあればいくらでも自分を犠牲にして見直しや手直しができるものです。
自分はできる職人と思っている人はプライドが高く工程のひとつひとつを完璧にできたと勘違いします。(実際にも高い精度で作業するのですが)。けれども振り返って見直しや手直しすることをしません。こういう人は本当はできる職人ではないのです。
本当にできる人はどれだけ良い作業をしても完璧がないということを知っています。だからお客様に喜んでもらうため、ご満足いただくためなら、やれることは何でもやるのです。これって無償の愛ですよね!