無垢フローリングのオイル仕上げの依頼をうけ先日施工しました。これを機に無垢床材のメンテナンスについて少しお話いたします。
まず無垢フローリングとはどんなフローリングかということから説明します。無垢フローリングは一枚の板からなるフローリング床材のことです。寸法は色々あり貼り合わせていくのですが床材自体はカマボコの板のように単一素材です。最近では注文住宅を除いては標準仕様として採用されることは少なく高級品として認識されています。
無垢フローリングにはウォールナット(胡桃)、オーク(楢)、メープル(楓)、バーチ(樺)など様々な木材が使用されます。
そしてメンテナンスする上ではここが肝心な部分なのですが、表面加工(仕上げとかフィニッシュともいいます)が大きく分けると2種類あります。以下をご覧ください。
- 塗膜性仕上げ(ウレタン塗料などで被膜加工したもの)
- オイル仕上げ(自然系植物性塗料を表面に含浸させたもの)
1.の塗膜性仕上げのものは表面にUVウレタンなどのクリア塗装がなされたもので、傷、摩耗、水などに対して丈夫になっていますのでお手入れは楽といえます。ワックスやフロアコーティングでメンテナンスすることが一般的です。オイルは木の組織に浸透せず塗膜の上に浮いた状態になりますので使用しません。
2.のオイル仕上げのものは表面を覆うクリア塗装などの加工がなく、オイル塗装がなされているのみです。オイル仕上げにも多少の保護効果はありますがウレタン塗装には遠く及びません。そのため使用状況にもよりますが半年から1年に一度程、オイルを塗る作業を行う必要があります。
オイル仕上げの無垢床材は木をよりあるがままの状態で使用することになりますので、その風合いを好み人には譲れない部分なのです。また、木材表面の空気の出入りを妨げませんので湿気の多い日などにペタペタとするというようなことはありません。
今回のケースではオイル仕上げのものでした。したがって自然系植物性塗料を使用してコーティングいたしました。
無垢床材のオイルコーティング
こちらが今回オイル仕上げをする前の状態です。
ウォールナットの無垢床材ですが、さすがに雰囲気が抜群ですね。ただこの写真には写っていませんがお客様によると水滴の跡などが以前よりも付着するようになったとのことです。私が拝見したところ、やはりオイルの効きが弱まっている感じがありオイルコーティングをするのに程よいタイミングと見ました。
同一部分の画像ではありませんが、上がオイルを塗布した後です。しっとり感が増した感じになりました。それでいて一般的な樹脂ワックスやフロアコーティングをしたときのような塗膜が形成された感じではなく木肌は極めて自然な風合いです。
こちらは玄関の部分の施工後です。日の差すエリアということもありとても美しく見えます。
オイル(自然塗料)もしくはウレタン塗料でのメンテナンス
オイル仕上げの無垢フローリングの場合はオイルでメンテナンスすることが一応の基本です。ただし、オイルを塗布しても木材の表面を密閉しているわけではありませんので水や汚れが染み込んだりします。また傷に対する保護膜もありませんので直接床材が傷ついてしまいます。
このようなことからオイル仕上げの無垢材でも途中から塗膜性のコーティングをする方もなかにはいます。一旦オイルを取り除く必要がありますが、その後、ウレタン塗料などを塗ることは可能です。
さらにいうと無垢材の場合は表面を研磨することも可能です。傷や染みついたよごれが多数生じて気になる場合はサンディングマシンなどで1から2ミリ程削り取り、再度着色してオイルもしくはウレタン塗料で仕上げることもできます。
普段のお手入れ
日常的なお手入れとしてはフローリングワイパーや掃除機によホコリの除去以外に水拭きを1ヶ月に1度程度おこなうと清潔に保てます。手垢、皮脂、油膜の汚れに水拭きはとても効果的なので行ってほしいのですが、一方でオイルも一部取り除いてしまうことになります。これはやむを得ません、半年から1年に一度位の頻度でオイルを塗布するようにしてください。
今回は私たちが塗りましたがオイルは塗膜形成しませんので塗りムラや塗筋、剥がれなどが生じることはほとんどありません。一般の方でも自分でできるメンテナンスだと思います。是非、チャレンジしてください。
(私たちが施工する場合は古いオイルを除去した上で下塗りと上塗りの2種類のオイルを使用して仕上げます、プロに任せたいという方はご連絡ください)