東村山市にマンションを購入されたお客様よりフロアコーティングの依頼を受けました。壁紙はキレイに張り替えられていますがフローリングは築20年ですからそれなりに経年劣化があります。

お客様からは最初のお問い合わせで、最も汚れや傷みの激しい場所の写真を送付いただきました。それが冒頭の写真です。

通常のハウスクリーニングもしていない状態ということもありますが、正直な感想を言うと、全体的に何だかあまり清潔感がありません。過去に何度か塗られたワックスの艶が引けていますしベッタリとそのワックス塗膜に汚れが張り付いています。

お客様にとっても本当にキレイにコーティングできるのか心配だったと思いますが。ウェブでの図面からの見積り後、何度かメールのやり取りを行い、実際に現地でも状態を確認させていただきました。その結果、何が決めてだったのかわかりませんが剥離剤を使用したクリーニングとフロアプロテクトAPコーティングをご注文いただきました。

窓際の消耗した床
施工前の掃き出し窓前のフローリング。汚れてはいましたがひび割れ等はほぼなかったです。
フロアコーティング後の掃き出し窓前
フロアコーティング施工後(フロアプロテクトAP/グロス)。窓際の敷居部分は色を塗りました。色がくっきりと分かれているのは恐らくラグ等の敷物を長期間敷いていたからだと思われます。

予防的なフロアコーティングと状態回復的なフロアコーティング

フロアコーティングというと新築未入居の状態でフローリングを消耗や汚れから保護するという予防的な目的で行うことが多いです。

しかしながら、今回のように経年による消耗や汚れにより本来の魅力が損なわれているフローリングの場合は目的がやや異なります。このようなケースではフローリングの状態を回復させることと、より長く利用するためプロテクションをフローリングに付与することが目的になります。

仕上がりとしては、フローリングを張り替えたかのようなレベルにはなりませんが毎日気持ちよく過ごせる程度まで改善することは十分に可能です。

施工前の汚れた洋室
施工前の洋室です。汚れてはいますが築20年の物件としてはフローリングそのものは良いコンディションでした。
フロアコーティング後の洋室
フロアコーティング施工後の洋室。午後になり日が差してきたこともありますが見違えるようになりました。

費用は施工面積50平米(おおよそ3LDKマンションのフローリング面積)で15万円〜18万円位です。フローリングを張り替える場合と比較して四分の一程度の費用です。

フロアコーティングするか、いっそのこと張り替えるか

フロアコーティングをすると通常は10年程は十分に使用できます。張替えとどちらにするか悩んでいる方は以下を参考にしてください。

フロアコーティングを選んでほしい方

  • 費用を低く抑えたい
  • 工期が少ない
  • 将来は住み替えをする予定がある
  • フローリングの状態が割と良い
  • フローリングがまだまだ使用可能に思える
  • お子様がまだ幼い

フローリング張り替えをお勧めする方はというと、上記の反対の場合ということになります。

施工前の廊下
施工前の廊下です。リビングと比べると汚れは少ないのですががっつりとワックスが塗られているため剥がすのは大変でした。
施工後の廊下
施工後の廊下です。日射でダメージを受けやすい南側の掃き出し窓前と異なり状態が良好でした。

フローリングを張り替えると資産価値が向上するのか

ちなみにお客様からフローリングを張り替えた場合の資産価値について助言を求められることがあります。要するに仮に住宅を売却するとして、張り替え工事の代金分は高く売れるのかどうかということです。

これについては友人の不動産会社の経営者に聞いてみましたがケースバイケースとのことです。その前提で個人的な見解を伺うと「数年住み続けるとフローリングも使用感が出てくるので例えば100万円張り替えにかけても、せいぜい数万円しか反映されないだろう。」とのことでした基本的には買い手はなるべく安く購入して、自分の好きなようにリフォームしたいものです。フローリングも多様な色柄がありますので、むしろ張り替えを念頭において物件探しをすることもあるのでしょう。

高いお金を出して張り替えても経済的にはあまり寄与しないということですので自分独自の価値観で選んでください。