このたび依頼いただいたお客様の購入された中古住宅は築20年とのことです。お客様はお若いご夫婦で、こちらの住宅の様々な部分をリフォームしてからお住まいになられるとのことでした。
フローリングも当然、築20年ですから、新品の輝きはとうに失せています。新しく張り替えることも検討されたようですが、「まずは相談してみよう」ということで当社へお問い合わせいただきました。
重ねられたワックスを剥離施工してからコーティングする
現地に赴いて確認したところ、びっくりしたのはフローリングがテカテカに光っていたことです。お客様からもインフォメーションとしていただいていたのですが、以前のオーナーさんは、かなりしっかりとメンテナンスされる方だったようで、フローリングも定期的にワックスを塗られていたのです。
厚く塗られたワックスがかえって汚い印象に…
かなりの光沢感は光の反射からもわかるかと思います。キレイとも言えなくはないのですが、黒光りしているような感じで、表面の擦り傷が目立ち、また、汚れが染み付きムラになったような場所もありました。全体としては、うす汚い感じで、気持よく過ごせるような状態ではありません。
ワックスのよいところは、手軽に艶がだせるところですが、欠点としては汚れを抱き込みやすいということがあります。ワックス成分に手垢や皮脂など脂溶性の物質、ゴミや埃などが渾然一体となり、黒ずんでみえるのです。
新生活をスタートするにあたり、これはキレイさっぱりと取り除きたいところです。
剥離施工の成否が重要な鍵に
こういった古いワックスを取り除くには剥離施工という手法を用います。剥離施工は剥離剤という専用の洗剤を使用しワックスを液状に溶かして除去します。
おそらく、ワックスボトルにして1ダースは下らない量のワックスが重ね塗られた築20年のフローリング、リフレッシュしてご夫婦に喜んでいただけるのでしょうか?
まず、ポイントとなるのは言うまでもなく、古いワックス膜の除去です。そっくり全て取り除かないとフロアコーティングしても美しくなりません。
作業開始、ほんとにキレイになるの?
今回はいつも使用するウェットバキュームに加え、ザラつきのあるパッドが高速回転する強力なポリッシャーを持ちこみました。足元は滑って転ばないよう長靴で武装です。そして肝心の剥離剤は、増粘タイプのなかでも溶解力の強い製品をチョイス。
剥離施工は技術そして経験値がモノを言う
剥離施工は職人の技術や経験が要求される施工です。上手くやらないとフローリングに不具合を生じさせることがあります。
木質の製品ですから、長時間濡れたまま放置したり、剥離剤とフローリングのマッチングが悪いと、いとも簡単にフローリングが波打つように変形したりします。
まずは剥離剤を塗ってウェットバキュームを回します。隅などは手作業でおこないます。
通常はもう少し溶けますが、ワックスの層が厚い分、やや塊状のまま取れてきます。
繰り返し徹底的に古いワックスを取りまくる
溶けて浮いてきた古いワックスと汚れをウェットバキュームで吸い取ります。このあと水拭きをして、それもウェットバキュームで吸い取ります。この一連の作業を完全に除去できるまで繰り返し行います。
仕上げの水拭きとアルコール除菌もかかせません
ようやく剥離施工が終わり、数回の仕上げの水拭きとアルコール拭きによる除菌を経たフローリングです。なんだかサッパリとしてみえませんか?
フロアコーティングで床に艶と保護効果を
ようやくフロアコーティングする工程に進みますが、古い床の場合はフロアコーティングの塗料を、多く吸い込むことが多く、その場合は数回重ね塗りすることになります。今回は2回塗りで大丈夫でした。
見違えるような美しいフローリングになりました!
これで完成です見違えるように美しくなりました!
延床面積が100㎡以上ある大きな家でしたので、剥離施工に1日、コーティングに1日の2日間かかりましたが、お客様にも大変喜んでいただくことができました!
コテコテにワックスが塗られているほど、じつは素肌美人!
この物件のようにワックスが絶えず塗られているフローリングは、消耗や劣化が抑えられています。今回のように古いワックスさえ取り除けば、年月を感じさせないキレイな地肌(木肌か?)が現れること多いです。
じつは最初のご訪問時に、コレはキレイになる!と太鼓判を押していた私。そっと胸を撫で下ろしたのはいうまでもありません。また、フロアコーティングの効果は見た目だけではありません。これから長期間、しっかりとフローリングをガードしてくれるはずです。
中古物件を購入された方や今お住まいのマイホームをリフレッシュしたい方は、ぜひ、お気軽にご相談ください!