中古マンションのフロアコーティングについて最新の事例とともにお話させていただきます。非常にメリットの多い居住歴のある家のコーティングですが、フローリングを張り替えるという選択肢もあります。それに対してフロアコーティングするとどういった恩恵があるのか、そのような点をざっくりとではありますが説明いたしますので、ぜひご覧ください。

冒頭の写真は東京都は台東区に築18年のマンションを購入されたお客様の物件です。フローリングはとてもコンディションが保たれていましたので仕上がりも素晴らしいものになりました。

中古住宅フロアコーティングおススメの理由

新築ではないフロアコーティングの場合、やはりフローリングの状態は影響します。どんなフローリングでも新築になるというわけではありません。ですから何が何でも新築のように、ということなら張り替えるほかありません。

ただし、それには大きな出費をともないますし、完全に消耗しつくした床材ならともかく使用に耐えるものを廃棄するのはもったいないです。

私たちはできることならフローリングは長く使用していただきたいと思っています。そのため、ただコーティング剤を塗るだけではなく様々な手段を講じて、なるだけ気持ちよく過ごせるような状態への回復を試みています。

中古住宅フロアコーティングのメリットを3つ挙げるとするなら以下のようなものがあります

  1. プロならではの徹底したクリーニングによりフローリングが清潔になる。
  2. コーティングにより見た目が美しくなる
  3. 床保護効果によりフローリングが長持ちする

以下順に説明します。

プロならでのクリーニング

剥離施工


生活する以上、まめにお掃除していたとしてもフローリングには汚れが付着しているものです。今回の物件もお客様が購入される前に専門業者によるハウスクリーニングがなされたとみえて一見するととてもキレイです。

それでもフロアコーティングする前には徹底洗浄が不可欠です。仕上がりの美しさにも影響しますし塗膜の密着度にも影響するからです。フローリング表面と塗膜の間に脂溶性の汚れなど余計なものが入り込むと後に剥がれてしまうといったリスクが生じます。

私たちが使用するのは剥離剤という弱アルカリ性の洗剤です。木質の床材ゆえ少し粘土のあるジェル状のものを使用します。これまで何千回もの施工経験により床材種類やワックス塗膜の厚み、汚れ状況、気温などに応じた希釈率、粘土調整にて使用します。一般の中性洗剤とは異なり、剥離剤にはワックス塗膜や汚れを溶解し浮かび上がらせる効果があります。

塗布後、パッドで擦りウェットバキュームで回収します。一度では通常回収しきれませんので水を緩くしぼったモップで拭き上げさらにウェットバキュームで回収します。その後、数回水拭きを行い風を通し水分が蒸発したら最後にアルコール拭きを行い除菌します。

※ウェットバキューム=液体を吸い込む掃除機のような機材です。
ウェットバキュームで吸水

このようなフローリング洗浄は一般の方ではなかなかできないと思います。フロアコーティングを実施するということは同時に上記のプロならではの徹底洗浄が含まれるのです。

美しいフロアへ

コーティングすると塗膜により見た目や質感が向上します。フローリング本来の温かく清潔な印象を取り戻すことができるのです。当社イチオシのフロアプロテクトAPならお好みに応じて高い光沢感のあるものから艶消しのものまで選ぶことが可能です。

ピカピカにするのか落ち着いた感じにするのかそれはお客様次第ですが今回のお客様はセミグロスという半艶消し仕様をチョイスされました。ほどほどの光沢感もありますが自然な艶感で人気の仕様です。

床を長期間保護する

フロアコーティングを実施する一番の理由はコレです。フローリングを傷、摩擦、乾湿の変化、日差しなどから守り、長く良い状態で生活することができます。

ちなみにワックスは上述した剥離剤で溶解するようにつくられていますが、コーティング剤はそうではありません。頻繁に剥離剤で塗膜を除去してやり直すのではなく、長い間隔(通常10年くらい)で表面をクリーニングして塗り重ねます。このようなフローリングを常に良い状態に保つフロアメンテナンス・システムなのです。

※新築フロアコーティングのセールストークでは一度実施すると20年や30年も持つということになっていますが、そのことについてはまたの機会にお話ししようと思います。賢明な当ブログの読者なら言うまでもないかもですが一般ユーザーの考える耐久性とは違います。

さらには床の補修も

フローリングの張替えと比較してフロアコーティングは付け焼刃のように思う方もいるかもしれません。確かに著しく劣化した床の場合はコーティング技術でも救えないことがありますが、それなりのコンディションであればかなり状態を回復させることができます。

下の写真をご覧ください。このような状態が全面に生じていたなら張替えがよいでしょう。けれども今回のように1か所だけなら補修することも当社はやります。往々にしてフローリングは全面均一に劣化するというよりも日差しが強く差し込む部分などより負担のかかる所から劣化します。

床リペア前
表面の板(突板)が剥がれてしまっています。

こちらがリペア後の状態です。突板という表面の板が剥がれている部分が目立っていましたが、だいぶいい感じになりました。床補修専用の樹脂剤を電気コテで溶かして埋込み、平らになるよう成型し、その上から色を加えています。また、剥がれていなくても反り返っている部分が多数ありましたので接着も行っています。

床リペア実施後
白丸内が上写真の剥がれが生じていた部分です。

少し離れた位置からの同部分のビフォア・アフター写真です。

床リペア前
ビフォア/床リペア前
床リペア実施後
アフター/床リペア実施後(半艶コーティング済み)

フロアコーティングとは塗るだけのことではないのです。とくに使用歴のあるフローリングに対してはさまざまな手法を駆使してお住まいになるお客様が快適に過ごせるようにがんばるのが当社が心がけていることです。なお、今回は中古住宅の施工についてお話しましたが新築住宅にもおススメの優れたフロアコーティングがございます。

どんな住宅、あるいは商業施設であってもフロアコーティングのことなら気軽にご相談ください。