フロアコーティングをすると滑りやすくなると思っている方が少なからずいらっしゃるようですが、その反対で滑りにくくなるものものです。

フローリングは靴下で歩くと滑りやすく感じるものですし、ペットを飼っている方などはワンちゃんなどが足を滑らせ股関節を痛めたりすることを懸念するものです。幼いお子様がいるご家庭でも転倒の危険性も気になるところです。

しかし実際のところ、フロアコーティングは樹脂で床を覆うわけですからフローリング表面そのものよりも、あきらかに足元をグリップしてくれます。足元の滑りが気になる方も、ぜひご安心ください。

 滑り防止効果の優れたフロアコーティングはどれだ

どの種類のフロアコーティングが滑り防止効果に優れているか、という質問をよく受けます。これについてお答えすると、わずかな差ですがウレタン系のフロアコーティングが優れているように思います。

ガラスコーティングやシリコンコーティングも滑り防止効果はありますが、水系ウレタンコーティングや水性ウレタンコーティング、UVフロアコーティングのほうがやや塗膜が肉厚で柔軟性に富みます。その分、やや滑りを抑制するという部分では有利です。

滑り防止性能とその持続性は相反することも

滑り防止について考えるときに重要なことが一つあります。それは滑り防止効果の持続期間です。たとえ、ものすごく滑り防止効果の高いコーティングがあったとしても1か月しかそれが持続しなければ残念ですよね。

たとえばレーシングカーのタイヤはものすごくグリップ力が高く、それがハイスピードのコーナリングを実現するのですが摩耗するのも早く1レースしか持ちません。フロアコーティングも同様のことがいえます。

単純にコーティング仕上がり直後でいうと、比較的コーティング塗膜の柔らかいアクリルコーティングや水性ウレタンコーティングのほうが塗膜の硬いガラスコーティングよりも滑り防止効果は高いです。ところが摩耗するのが早いため徐々に表面がツルツルと平滑になることで滑り防止効果が低下します。

使用状況や家族の人数などにもよりますが、以下に私のおすすめする滑り防止に優れたフロアコーティングを記します。

滑り防止効果に優れたフロアコーティングとその理由

ガラスコーティング初期の滑り防止効果は程ほどでも効果がもっとも長く持続する
水系ウレタンコーティングウレタン系ならではの柔軟性でグリップ力が高い

股関節などに不安のあるペットへの対応

フロアコーティングが滑り防止に有効とはいってカーペットのようにまではなりません。股関節に疾病を抱えているワンちゃんなどへの対応の場合は専用のペット用ソックスが大変効果的なようです。また、フロアコーティングの上からメンテナンス用のスプレーワックスを週に1回程度使用すると常に高い滑り防止効果が得られます。ご心配の方は、ぜひご相談ください。

艶タイプによる滑り防止効果の違い

フロアコーティングはピカピカと艶やかになるものばかりではなく半艶や艶消しのフロアコーティングもあります。艶ありはグロス、半艶はセミグロス、艶消しはマットといったりします。

そして同じフロアコーティングの種類であっても艶タイプにより若干滑り防止効果は異なります。なぜかというと艶消しのために含まれる成分が影響するからです。

艶を落とすためにはセラミックの顔料が塗料に含まれますが、その影響で塗膜が少しサラッとした感じになります。塗膜の柔軟性は変わらないのですが、摩擦抵抗がやや下がります。艶あり(グロス)と比較して半艶(セミグロス)ではそれほどではありませんが、艶消し(マット)になると明らかにグリップが弱まる感じになります。

艶消しタイプを選択される方は最近とても多く、汚れや床表面の傷や摩耗も目立ちにくいというメリットもあるのですが、滑り防止を重視する方はご留意ください。