新築一戸建てを購入されたお客様よりフロアコーティングの注文をいただきました。フローリングは最近主流のオレフィン素材を表面に使用したシートフロア(またはシートフローリング)です。

お問い合わせ前にフローリングやそのコーティングについてご自分でいろいろと情報を収集し、フロアコーティングを実施するかどうか検討されたそうです。同様にフロアコーティング種類や業者を何にするかではなく「やるかやらないか」で迷っている方にとってとても参考になる事例だと思い記事にしました。

フロアコーティング実施の理由

最初はシートフロアの表面は傷つきにくいということで必要性に疑問があったようですが調べるうちに「それでもフロアコーティングはしておいたほうがいい」という結論に達したようです。

「スマホだってカバーする」

決定に至った最大の理由は何ですかとお聞きしたところ、「なんとなく…」なんて言います。いやいや、なんかもっとちゃんとした理由があるのではと、繰り返し角度を変え質問すると「スマホだってカバーするじゃないですか」と照れ臭そうに言われました。その言葉になるほどこれは非常に本質的な部分をついているなと私は感心したのです。

フロアコーティング実施前のシートフロア
シートフロア施工前
シートフロアのフロアコーティング実施後
シートフロアのガラスコーティング施工後 まだ塗布直後のため少しテカリが強い状態です。

スマホカバーの例えが意味すること

カバーは取り替えがききますがスマホはもっと長く使いたいですよね。また、万が一スマホを落っことしてしまったときに備えるということです。これはそのままフローリングとフロアコーティングの関係にに当てはまります。とくに昔のフロアコーティングは今回ご注文いただいたガラスコーティングと比較すると塗膜は傷つきやすくフローリングを庇うため犠牲となるといった感じでした。ガラスコーティングの場合は自身の塗膜表面自体も非常に硬質で傷がつきにくく、例で挙げたスマホカバーよりも長期に使用するよう企図したものです。

今回のお客様からは教えられることのほうが多く、私からの説明を要することはありませんでした。しかしながら今現在、シートフロアへフロアコーティングするかどうか結論がなかなかでない方も多いかと思いますので私の考えるところを以下に述べます。

シートフロアであってもフロアコーティングを推奨する訳

シートフロアは従来の木質のものよりも椅子を引く時の摩擦などに強く傷がつきにくいものとされています。そのためフロアコーティングする必要がないのではと考える方もいるようですが、決してそんなことはありません。少なくともシートフロアだからいらないということにはなり得ません。その理由を説明します。

もちろんフロアコーティングを強制するつもりとか、売ろうとか、そんな気持ちはありません。べつに自分でワックスなどでメンテナンスすることを否定しませんし、なかには劣化消耗したら張り替えればいいと考える方もいるでしょう。

ダメージの軽減

シートフロアにおいても、子供がおもちゃを投げつけたり、落書きをしたり、あるいはペットのワンちゃんがおしっこしたり、といったダメージ行為から床を守るにはいまだフロアコーティングは有効な手立てです。また、上述したような具体的な行為がなくても経年による消耗が生じます。たとえば日差し、歩くこと、掃除機をかけること、乾燥、湿気、といった生活していると不可避なことでも真綿で首を締つけられるようにすこしずつフローリングの消耗になります。いずれの場合もフロアコーティングをするとそのダメージを軽減してくれます。

備えておけば安心

シートフロアの表面が硬質で傷がつきにくいといっても当然ながら全くつかないわけではありません。お金もかかることですから取り合えずいまはいいという消極的な考えであれば是非再考ください。いざ消耗が目立ってきて自分でワックスを塗ろうとしてもオレフィン素材は液剤と馴染みにくくプロのような技量がないときれいに塗れません。そもそもワックスだとあまり保護効果も期待できないです。

新築時がベストタイミング

また、フローリングは目線の集まる床ですから傷が多数付いたり、摩擦により艶が引けたり、部分的に剥がれたりしたときには魅力が半減します。天然の木材なら多少の傷などは味わいと思えなくないですが人工素材のシートフロアはそのようにとることは難しいです。将来にわたり良い状態を保つには新築時には入居前のフロアコーティング実施を是非一度は検討したほうがよいでしょう。